じゃこぴーのぶらり

ぼちぼちいこか。

「ままならないから私とあなた」を読んで

 朝井 リョウさん作 「ままならないから私とあなた」を読んでみました。

 

 友人関係についての小説を見つけたくて、紹介文を読んで購入。

 「ままならないから私とあなた」と「レンタル世界」の2篇が収録。

 どちらの作品も読んでるとハッと気付かされる瞬間があり、とても面白いし、考え方を180転換させられるような部分が印象的。世間では、「美しい」とされる物に対して、本当にそうなのか?と実はみんな理想を並べ立ててるんじゃないの?と思わされるところが良かった。

 この本の中で、私が「ハッ」とさせられたフレーズを紹介したい

 

 「レンタル世界」

 レンタル彼氏・彼女・友達・家族なんておかしい。心を開いてこそがちゃんとした人間関係だと考えている、風俗大好きな主人公。その中で、レンタル業を行う木になる女性に一言。

 『あんた、あったときからずっとレンタル業なんておかしいとか言い続けているけど、そのレンタル業者たちが「これだけはおかしい」「これだけはやるべきじゃない」って言っていることに、あんたはずっと世話になってんだよ』

 

これを読んだときハッとさせられた。不純な感じはしながらもそういう遊びはよくあることなのかなぁと考えてきたけど、そこをバシッと言い表してるのがスッキリ!!

 

 「ままならないから私とあなた」

 感情を大切にしたい雪子と合理主義の薫。同じ世界にいながらも、違う価値観を持つ2人。雪子の子供(おそらく)は合理的になり、親が合理的だが、直感的に行きたいと思う青年に出会う。

 

 『親の価値観を反面教師にしているという点では重なっているけど、それぞれの考え方は真逆。あまりにもままならないそれぞれの人生の道行期に私は思わず頬を緩ませる』

 

 親と子でも考え方が異なる。いろんな真逆の考え方がぶつかり合うからこそ、この世界は中和を保つ。どちらも一長一短だし、正解なんてない。ただ、ミックスされるから思わぬ調和が生まれるのだと気づかせてくれた。